Project/Area Number |
08760287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
春日 文子 国立予防衛生研究所, 食品衛生微生物部, 研究員 (40183777)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ナトリウムイオンチャンネル / バキュロウイルス発現系 / サキシトキシン |
Research Abstract |
本研究は、電位依存型Naイオンチャンネルの生化学的、分子毒性学的解析を進めるためのモデル開発を目指し、ラット脳よりクローニングされたNaイオンチャンネル遺伝子をバキュロウイルス発現系に導入し、活性を保持したチャンネル蛋白を昆虫細胞膜上に発現させることを目的としたものである。 岡崎国立共同研究機構の野田昌晴教授より分与を受けたラットII型Naイオンチャンネルアルファサブユニット遺伝子を、LA-PCR法を用いて増幅し、バキュロウイルストランスファーベクターpAcYM1の多角体プロモーターの下流に挿入、定法に従って組換えウイルスを作成した。この組換えウイルスを感染させた昆虫細胞Sf-9およびTn-5について、パッチクランプ法を用いて電気生理学的にチャンネル活性を調べた。しかしどちらの細胞株についても、Naイオンチャンネルに特異的なNaイオンの流入は観察されなかった。Naイオンチャンネルに結合することの知られているサキシトキシンを用いた結合試験によっても、Naイオンチャンネル蛋白の発現は確認されなかった。 そこで、チャンネル蛋白の発現に至るどの段階に問題があるかを特定することを次の目的とした。まず、当該蛋白の細胞内での発現があるかどうかを調べるために、Naイオンチャンネルの抗体を作製することにした。Naイオンチャンネル蛋白は、そのチャンネル機能を担うアルファサブユニットだけでも分子量が約25万と巨大な蛋白である。従って、既に解明されているアミノ酸配列を元に疎水性アミノ酸を多く含む領域を5箇所選んで合成し、ウサギを用いてそれらに対するペプチド抗体を作製した。これら抗体のNaイオンチャンネル全体に対する結合力価を判定するために、ラット脳の可溶化膜画分を標的とする酵素免疫測定を行なった。その結果、調べた4つのペプチド抗体のうち一つが、Naイオンチャンネル蛋白を認識することがわかった。今後、この抗体を用いてNaイオンチャンネル発現過程を調べる予定である。
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