Project/Area Number |
08760289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (90202168)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ウシ白血球粘着異常症 / BLAD / 遺伝子発現 / CD18 |
Research Abstract |
ウシの常染色体劣性遺伝性疾患である牛白血球粘着異常症状(BLAD)をモデルとした、遺伝子療法をより効率的かつ安全に実施するための基礎的な検討を行うことを目的として以下の研究を実施した。 まず、正常なウシの末梢血白血球(PBL)から、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を利用して特異的なプライマーを用いてCD18遺伝子を増幅させた。この増幅遺伝子をプラスミドベクターにサブクローニングし、ウシCD18遺伝子組込みプラスミドベクター(pMosCD18bo)を得た。またPCR増幅遺伝子を、サイトメガロウイルスのプロモーターを有するプラスミドに組込み、ウシCD18遺伝子組込みプラスミド発現ベクター(pTargetCD18bo)を得ることができた。これら2種類のプラスミドのインサート部分の全塩基配列を解読したところ、サイレント変異が確められたものの理論上は正常なCD18分子を合成できることが確認された。そこで、pMosCD18boのインサート遺伝子をLTRあるいはSV40遺伝子をプロモーターとして有する二種類の発現ベクターに再組換えし、三種類の異なるプロモーターを有する発現ベクターの作成を試みた。しかしこれら二種類のベクターは、現在クローニング中である。 次に導入効率を検討するために、エレクトロポレーション法およびリポフェクション法によりBLAD発症牛のPBLにin vitroでpTargetCD18boの導入を試みた。その結果いずれの方法を用いても導入効率はほぼ同程度であった。しかし、エレクトロポレーション法により導入されたPBLの培養可能期間は著しく短縮し、したがってCD18分子の発現効率も低かった。リポフェクション法により導入されたPBLにおいて、CD18分子の発現は確認されたが、既報のレトロウイルスベクターを用いた場合に比べるとその発現効率は低かった。現在クローニング中のベクターを用いた同様の検討を行うことにより、より効率的な発現法の確立が可能になると考えられた。
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