Project/Area Number |
08770004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺田 純雄 東京大学, 医学部, 助手 (00262022)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 軸索輸送 / ウイルスベクター / ニューロフィラメント |
Research Abstract |
エピトープタッギングを行ったニューロフィラメントM遺伝子をアデノウイルスベクターに組み込み,これをニューロフィラメントH+lacZの融合遺伝子が導入された、軸索中に中間径フィラメントを欠くトランスジェニックマウス(B6C3F2/44A)のL4の後根神経節へ注入し、その遺伝子産物の坐骨神経内での動態を形態学的に解析することを目的として、実験を開始した。 共焦点走査型レーザー顕微鏡及び透過型電子顕微鏡による免疫組織化学法から、タグ付きニューロフィラメントM蛋白質は、確かに中間径フィラメントを形成することなく遅い軸索輸送の速さで座骨神経軸索内を輸送されること、及びラベルの先端部の位置は各軸索間でよく同期しており、かつラベルの軸索方向の強度分布はその先端部で極めて急峻な立ち上がりを呈することが観察できた。更に対照実験として中間径フィラメントを軸索内に有する正常の後根神経節細胞に遺伝子導入した場合、とくに細胞体から離れたラベルの先端部に近い部分でラベルが有意に微少管と共存することが判明した。 以上の結果から少なくともニューロフィラメントM蛋白質の輸送に関しては、in vivoの単一軸索レベルでの高解像度下の観察によって(1)細胞骨格蛋白質の軸索輸送の為には細胞体内での重合が必要条件とはならず、単量体あるいはオリゴマーの形で運ばれ得る点でポリマースライディング仮説は成り立たないこと、(2)遅い軸索輸送にも微少管依存性モーター分子が関与する可能性の高いこと、及び(3)メタボリックラベリング法による結果を裏付ける形で、受動的拡散現象からは区別される、おそらくは各軸索間で共通したメカニズムによって能動的な輸送が行われていることが明らかとなった。
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