カーボンファイバー法によるラット単離心室筋細胞の伸長・短縮
Project/Area Number |
08770038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部・内科4, 助手 (00256447)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 心筋収縮 / 細胞内カルシウム / 細胞内ナトリウム / カルシウム電流 |
Research Abstract |
これまでに、心筋伸長による収縮力増大には、伸長直後の瞬時の収縮増大と、それに引き続くゆっくりとした収縮増大の二相性の変化があることが多細胞標本を用いた研究により示されてきたが、本研究において同様の心筋伸長後の二相生の変化が単一細胞レベルでも認められたことより、この変化が個々の細胞レベルで生じている可能性が示唆された。伸長直後の瞬時の収縮増大の機序としては、アクチン・ミオシンによる架橋(クロスブリッジ)変化と収縮蛋白系のカルシウム感受性が関与する事が示唆されてきたが、本研究においても単一細胞レベルで同様の機序が働いていることが示された。また、これまでのその関与が想定されていたL型カルシウム電流については、伸長直後の収縮増大にも関わらず電流変化が認められなかったことより関与は否定的であると考えられた。一方、伸長後のゆっくりとした収縮増大については、多細胞標本による研究より細胞内カルシウム濃度変化(Ca transient)の増大が関与することが示唆されてきたが、本研究でも同様のCa transientの増大が単一細胞レベル認められた。Ca transient増大の機序としては、拡張期細胞内カルシウム濃度及び細胞内ナトリウム濃度変化を想定していたが、細胞伸長後に拡張期細胞内カルシウム濃度及び細胞内ナトリウム濃度に有意な変化が認められなかったことより、これらの関与は否定的であった。また、もう一つの可能性としてL型カルシウム電流の関与を想定していたが、これについては本研究結果よりは結論は出せなかった。 今後、更に心筋伸長後のゆっくりとした収縮及びCa transientの増大の機序の解明を試みると共に、肥大心や不全心といった病的状態の心筋細胞において伸長刺激による収縮力変化がどのように修飾されているか検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)