Project/Area Number |
08770044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大日向 浩 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20233257)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 褐色脂肪組織 / 一酸化窒素 / L-NAME / 非ふるえ熱産生 / ラット |
Research Abstract |
褐色脂肪組織(BAT)は生体で唯一の非ふるえ熱産生組織であり、特に小型哺乳動物の体温調節に重要な役割を果たしている。BAT機能は交感神経系のノルアドレナリン(NA)の他、多因子的に調節されている。このNA投与によるBAT血流量と組織温度の増加が、一酸化窒素(NO)の合成酵素阻害剤L-NAMEにより抑制される事を著者らは既に報告した。BAT熱産生能におけるこのNOの直接作用を検討することを本研究の目的とした。 BAT熱産生の一つの指標であるin vitro組織酸素消費量の測定系を用い、L-NAMEまたはNO経路の阻害剤であるメチレンブルーを加えて1時間プレインキュベーションしたBAT細片をNAで刺激すると、in vitro組織酸素消費量の増加が両群で有意に抑制された。このことは、NO経路がBATの熱産生能に直接に関わっている事を示唆している。一方、NO発生剤であるNOR-1をこのin vitro系のBAT細片に投与したところ、低濃度ではBAT酸素消費量やNA刺激時の組織酸素消費量の増加を変化させなかった。投与するNOR-1濃度をあげると、組織非存在下にも関わらず培養緩衝液中の酸素を急速に消費し、正確な測定を妨げた。他のNO発生剤であるSNAP・ニトロプルシドナトリウムそしてニトログリセリンでも同様な結果であった。また、in vitroにおいて組織から産生されるNOの直接検出を予備的に試みたが、比較試料であるラット心筋組織片ではNO産生が確認できたが、同じ条件下での肩甲骨間BATではNA刺激時でも、現在のところ確認できていない。 このように、BAT機能調節,特に非ふるえ熱産生におけるNOの直接関与が示唆され,アドレナージックな刺激経路とNO-cGMP経路の関わりが興味深い.しかしNOの役割については、その産生部位や作用機序の点からさらに検討が必要であると考えられる。
|