心血管組織再構築機構に果たすキマ-ゼの役割の解析とキマ-ゼ阻害薬の有用性の検討
Project/Area Number |
08770076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
塩田 直孝 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60206050)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | キマ-ゼ / アンジオテンシンII / ハムスター / アンジオテンシン変換酵素 / 心筋症 |
Research Abstract |
(1)心筋症ハムスターを用いた薬剤による治療効果の検討 心筋症ハムスターBiO14.6では、心筋線維化に伴ってキマ-ゼ依存性のアンジオテンシン(ANG)II産生経路が特異的に活性化されてくることにより、キマ-ゼが心筋組織再構築に積極的な役割を果していることが考えられた(J.Hypertens.1997,in press.)。そこで、このBiO14.6ハムスターに、ANGII拮抗薬を投与することにより、心臓病変の抑制効果を検討した。新規開発中のANGII拮抗薬を9週間連続経口投与した結果、心臓の線維化部位及び石灰化部位の面積は共に50%以上著明に抑制された。このことより、キマ-ゼの活性化によるANGII産生量の増加が心筋組織再構築を誘導することが明確になった(Hypertens.Res.1996,19;298)。 (2)高血圧による心臓組織構築改変とキマ-ゼの動態 2腎性1クリップ型高血圧ハムスターを用いて、長期間圧負荷後のキマ-ゼの動態と心臓の病理組織学的解析を行った。32週経過後に、心臓の線維化と心筋細胞のアポトーシスが生じてくるが、この変化に一致して心臓キマ-ゼの著明な活性化が認められた)FEBS Lett.1997,in press.)。 (3)キマ-ゼの分子立体構造解析 ヒト及びハムスターのキマ-ゼは、ANGIをANGIIに特異的に変換するが、ラットのキマ-ゼは、ANGIを不活性断片に分解してしまう。この酵素学的特性の差異を、分子動力学的手法を用いて分子立体構造モデルを予測し、ANGIとの結合様式をシュミレーションすることで解析した。その結果、ラットとヒトのキマ-ゼでは活性溝に沿った露出アミノ酸残基の電荷分布が大きく異なることで、ANGIとの結合特性に差異が生じる可能性が示された(論文投稿中)。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)