一酸化窒素の細胞毒性とグルタチオンペルオキシダーゼ不活性化機構
Project/Area Number |
08770087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 順逸 大阪大学, 医学部, 助教授 (00222258)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | グルタチオンペルオキシダーゼ / 一酸化窒素 / セレノシステイン / DNAトランスフェクト / ペルオキシ亜硝酸イオン |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに一酸化窒素(NO)がグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)を特異的に不活性化することを見い出し報告した。今回、ペルオキシ亜硝酸イオン(ONOO)によっても失活が起こるかどうか、合成ONOOならびにドナーであるSIN-1を反応させた後にGPxの活性を調べたところ、不可逆的な阻害が見られた。このGPxの不活性化に、活性に重要なシステインもしくは活性中心のセレノシステインへのNOの結合が関与していると考え、その機構を蛋白質化学的方法を用いて検討した。まず、精製GPxをNO産生試薬のSNAPとインキュベートし、遊離の形で残っているSH基をODNBと反応させたところ、NOの非存在下では5分子のODNBが結合するのに対して、NOの存在下では3分子に減っていた。このことからNOの結合によって一組のS-S結合もしくはSe-S結合が形成されたと考えられた。次に、NOと反応した後にODNBを結合させた画分をHPLCで分離し、これをリジルエンドペプチダーゼ消化後、各ペプチドを精製した。このペプチドのアミノ酸組成ならびにマススペクトルの結果からCys-91とSec-45がNOによって酸化的修飾を受けたために架橋を形成したアミノ酸と同定された。この架橋形成がGPxの失活、ひいてはアポトーシスを誘導するものと考えられる。 GPxはアポトーシスを抑制することが示唆されており、NOによるアポトーシスに対しても抑制作用があるか否かを検討するために、GPxを組み込んだcDNAをベクタープラスミドを作製し、NOによってアポトーシスの起こるヒトマクロファージ由来のU937細胞にトランスフェクトした細胞の樹立を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)