Project/Area Number |
08770089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 公久 神戸大学, 医学部, 助手 (50263372)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ホスホリパーゼD / プロテイン・キナーゼC / G蛋白質 / 燐脂質 / ARF / RhoA |
Research Abstract |
本研究では、受容体刺激に連動して生ずるコリン燐脂質代謝とプロテイン・キナーゼC活性化の共役機構を解析する目的で、コリン燐脂質代謝において中心的役割を演じる酵素であるホスホリパーゼD(PLD)の酵素活性調節機構の解析に焦点を絞り研究を行った。我々が確立したPLDの新たな独自の測定法を用いて酵素活性を解析した結果、PLDは細胞膜結合型蛋白質であり、今まで酵素活性が低いとされてきた脾臓と腎臓に最も高いPLD活性が存在し、肝臓を含む多くの臓器に普遍的に存在する酵素であることを明らかにした。その酵素活性発現には、細胞の可溶性画分に存在するARFやRhoAなどの低分子量G蛋白質、更に低分子量G蛋白質以外の蛋白質が酵素の活性化に関与することを示す実験的根拠を得た。この因子は分子量36kの熱安定性を示す蛋白質(p36)であり、組織分布がPLD酵素活性と一致することから、PLDの生理的な活性化因子であることが強く示唆された。また、細胞膜構成成分の一つであるエタノールアミン燐脂質がPLDの酵素発現に必須であることを証明し、PLDの活性化には蛋白質因子のみならず、燐脂質を含む複数の因子が関与していることを明らかにした。今後、PLDの完全精製、並びにPLDおよびp36の遺伝子クローニングを行い、PLDの酵素学的諸性質並びに活性化機構を明らかにすることにより、コリン燐脂質に由来するジアシルグリセロールの分子レベルでの産生機構を明らかにし、PKCの活性化のメカニズムを解明することが急務と考えられた。
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