N-アセチルグルコサミン転移酵素III肝特異的発現トランスジェニックマウスの解析
Project/Area Number |
08770100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井原 義人 大阪大学, 医学部, 助手 (70263241)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 糖鎖遺伝子 / 糖転移酵素 / 糖タンパク質 / トランスジェニックマウス / N-アセチルグルコサミン転移酵素III / 肝細胞 |
Research Abstract |
GnT-IIIを肝特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製し、その解析を行った。 トランスジェニックマウスでは、GnT-III発現がin vivvoでの糖鎖生合成に影響したことが、血清糖タンパク質糖鎖の枝分かれ構造の解析から明らかになった。また、マウス肝の組織学的解析から、すべてのトランスジェニックマウス肝には著明な脂肪滴の貯留が認められ、GnT-IIIの高発現量とこの病理変化の増大は、相関することが明らかになった。脂質代謝異常のメカニズムを明らかにするためトランスジェニックマウス血清の生化学的マーカーを調べたところ、コントロールに比して中性脂肪とβ-リポタンパク質分画の減少が明かになった。糖タンパク質糖鎖変化と中性脂肪代謝の関連から、VLDLやLDLの成分としてその輸送機能などを担う糖タンパク質であるアポリポタンパクプロテインB(Apo-B)に着目した。血清リポタンパク質画分のApo-Bを解析すると、トランスジェニックマウス血清には、Apo-Bがほとんど存在しなかった。実際、免疫組織学的解析から、トランスジェニックマウスにおいて、Apo-Bは肝細胞質内に蓄積しており、さらに肝組織ホモジネートから免疫沈降したApo-Bはproteolysisを受け、E-PHAへの反応性を示した。 以上より、GnT-IIIトランスジェニックマウス肝において、リポタンパク質輸送に関わる機能糖タンパク質Apo-Bの糖鎖変化とその分泌障害がこの脂肪蓄積メカニズムのひとつではないかと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)