Project/Area Number |
08770117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 剛 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223002)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 滑膜肉腫 / HGF / c-Met / カドヘリン / 免疫組織化学 / Northern blot法 / Western blot法 |
Research Abstract |
滑膜肉腫の培養細胞株を用いたHGFならびにc-Metの発現を検討した結果、二相性滑膜肉腫の培養細胞株(SW982)、および単相性滑膜肉腫の培養細胞株(HS-SY-II)の両者ともNorthern blot法にてHGFのmRNAは検出されなかった。したがって、これら細胞培養株ではHGF産生能はないか、あったとしてもきわめて低いことが示唆された。一方、SW982、HS-SY-IIの両者でc-Metの発現がWestern blot法にて確認された。しかし、その発現はSW982において強く認められたものの、HS-SY-IIではSW982に比べ弱かった。さらに、HGFを添加した場合、SW982に発現しているc-Metにチロシンリン酸化が起こるか否か検討した結果、c-Metのチロシンリン酸化が確認された。したがって、これら細胞培養株でのc-Met発現量には差があると考えられ、また、発現しているc-Metは機能的にHGFへの反応性を有していると考えられた。リコンビナントHGFを添加し、SW982の培養細胞に形態変化が生じるか否か検討した。その結果、SW982に明かな上皮化を思わせる形態変化は観察されなかった。通常の2次元培養下ではこの変化をとらえることは困難で、今後のさらなる検討が必要と考えられた。 二相性および単相性滑膜肉腫の凍結新鮮材料を用い、Eカドヘリン、Nカドヘリンの発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、二相性滑膜肉腫では上皮成分にのみEカドヘリン、Nカドヘリンの発現が認められた。単相性滑膜肉腫では上皮様胞巣部のみにEカドヘリンの発現が認められた。今後、細胞接着分子の観点からも滑膜肉腫における上皮化という現象を検討する必要があると考えられた。
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