Research Abstract |
B細胞型のAnaplastic large cell lymphoma(B-ALCL)とB細胞型のReed-Sternberg細胞を有するHodgkin病(B-HD)についてその特徴を明らかにし、さらにその異同を検討するために18例のB-HDと17例のB-ALCLを臨床病理学的、免疫学的、遺伝子学的に検討した。 B-HDは、30-70歳、男女比は13:5、組織学的にLP2例、MC7例、NS9例に分類された。B-ALCLは、35-82歳、男女比は9:8、組織学的にmonomorphic type10例、polymorphic type7例に分類された。免疫組織学的にB-HDではCD20 18/18,CD 30 17/18,CD15 15/18,CD21 12/17,CD25 9/12,SIg 0/17、B-ALCLではCD20 17/17,CD30 17/17,CD15 0/17,CD45 17/17,CD21 4/16,CD25 13/16,SIg8/14に陽性を示した。RNA in situ hybridizaion法では、B-HD 9/18(50%)、B-ALCL 6/17(35%)に陽性が認められた。特にpolymorphic typeでは4/7(57%)であり、B-ALCLとB-HDの類似性が認められた。これらEBV陽性例のうち、LMPはB-HD 7/7、B-ALCL 6/6と全例に陽性を示したが、EBNA2はB-HD 0/7に対しB-ALCLでは2/6に陽性を示した。immunoglobulin heavy chain geneの検討では、B-HDのgerm line5例、somatic mutation1例、B-ALCLでgerm line1例、somatic mutation9例であった。この成績は、B-HDのheterogeneousな細胞由来を示唆した諸家の報告を支持し、また、B-ALCLのgerminal center cellもしくはpost germinal center cell由来を示唆した。B-HDではEBV陽性例がEBV陰性例に比して予後が不良な傾向を示したのに対し、逆にB-ALCLではEBV陽性例がEBV陰性例に比して予後が良好な傾向にあった。B-HDとB-ALCLは、EBVの感染例の頻度は近似するが他の免疫学的、遺伝子学的特徴は異なっており、それぞれの独立性が示唆された。また、今後は、EBV陽性のB-HDとB-ALCLがなぜ逆の態度を示すのかを検討したい。
|