浸潤性乳管癌の腫瘍内癜痕巣の形成機序と悪性度及び薬剤耐性との関連について
Project/Area Number |
08770143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
長谷部 孝裕 国立がんセンター研究所, 支所・臨床腫瘍病理部, 研究員 (00250209)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 浸潤生乳管癌 / 線維化巣 / bFGF / FGFR / 免疫組織化学 / Western blott |
Research Abstract |
浸潤性乳管癌(Invasive ductal carcinoma,IDC)内線維化巣(Fibrotic focus,FF)の形成の機序を解明するために、線維芽細胞の増生促進因子であるbasic fibroblast growth factor(bFGF)蛋白とその受容体であるfibroblast growth factor receptor(FGFR)蛋白の発現の状態を腫瘍細胞及びFFを構成する線維芽細胞において免疫組織化学およびWestern blott法を行い検討した。その結果、硬癌においてはFFを持つ症例は、持たない症例に比べ有意に腫瘍細胞におけるbFGF蛋白発現が高く、髄様癌ではそのような傾向がないことが判明した。また、硬癌においては、FGFR蛋白発現を認める症例が髄様癌に比べ有意に多いことも分かった。FFを形成する線維芽細胞におけるFGFR蛋白の発現に関しては、硬癌内のFFを形成する線維芽細胞のほうが、髄様癌内のそれを形成する線維芽細胞よりもFGFR蛋白発現を認めるものが有意に多かった。Western blott法では、免疫組織学的にbFGF蛋白の発現を認めた症例では、18 kDaの分子量の蛋白の発現が確認され、その発現量は免疫組織学的bFGF蛋白の発現の強度と相関していた。FGFR蛋白に関しては、免疫組織学的にFGFR蛋白の発現を認めた症例において、68,71,79 kDaの分子量の蛋白の発現を確認し、その発現量は免疫組織学的検討のそれと相関していた。以上より、腫瘍細胞におけるbFGF蛋白発現とFFを形成する線維芽細胞におけるFGFR蛋白発現がIDC内のFF形成に重要な役割を果たしていると考えられ、両者間におけるパラクリン機構がFFの形成に密接に関与していることが示唆された(投稿中)。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)