マントル細胞リンパ腫の生物学的および臨床病理学的解析
Project/Area Number |
08770144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
谷田部 恭 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (90280809)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | mantle cell lymphoma / cyclin D1 / CD5 |
Research Abstract |
マントル細胞リンパ腫(以下MCLと省略)には、染色体11q13の転座やBCL-1遺伝子再構成の結果として起こるcyclin D1遺伝子の過剰発現がしばしば観察される。今回の報告では、334例のリンパ球増殖性疾患におけるcyclin D1遺伝子産物の過剰発現の有無を免疫組織学的に検討した。cyclin D1過剰発現、CD5の発現および形態像を基にすると、MCL関連病変は4種に分類することが可能であった。cyclin D1の過剰発現、CD5発現およびMCL形態像のいずれも観察されるGroup Iと定義した群は35例、CD5発現およびMCL形態像をもつがcyclin D1の過剰発現を示さないGroup IIは4例、MCL形態像をもつがcyclin D1非過剰発現でCD5を発現しないGroup IIIは4例、MCL形態像を持たずcyclin D1の過剰発現を示さないがCD5を発現するGroup IV症例群は11症例であった。Group I症例群はきわめて均一な臨床病理学的特徴を示し、MCLとこれまで報告された症例に一致した。この群での生存率は非常に低く、5年生存率で11%に過ぎなかったのに対し、Group IIとした症例は、臨床病理学的にcyclin D1の過剰発現のみが異なるにもかかわらず100%の5年生存率を示した。これら4群のMCL関連病変はお互いにオーバーラップしてはいたが、明瞭な臨床病理学的および予後的な特徴を有していることから、Group II,III,IV症例群の更なる検討の基盤を築くことができた。そしてGroup I症例群すなわちMCLの診断においては、cyclin D1過剰発現の証明が分子病理学的に必須であることを示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)