ボツリヌスC型、D型菌の神経毒素遺伝子およびその発現制御機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
08770192
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤永 由佳子 岡山大学, 医学部, 助手 (60252954)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | Clostridium botulinum / ボツリヌス毒素 / PCR / neurotoxin |
Research Abstract |
1.ボツリヌス毒素は、抗原性およびアミノ酸の一次配列より、A〜G型に分類されているが、このうちA〜F型の毒素遺伝子の軽鎖部分をPCR法を用いて型特異的に検出する方法を確立した。(武士らとの共同研究) 2.血清学的方法によりC型毒素産生すると判定された5株と、D型毒素産生すると判定された4株よりtotal DNAを抽出し、上記のPCR法を用いて、存在する毒素遺伝子の型を調べた。その結果、C型5株ではすべてD型遺伝子は検出されず、C型遺伝子は3株で検出された。D型3株ではすべてC型遺伝子は検出されず、D型遺伝子は全株で検出された。 3.D-SA株は、D型毒素軽鎖の抗原性とC型毒素重鎖の抗原性を持つことが知られているが、本株より毒素遺伝子を持つファージDNAを精製し、毒素遺伝子の全塩基配列を決定したところ、毒素のN端より約500残基はC型、C端より約300残基はD型とホモロジーが高く、本毒素はキメラ構造(DC型)であることが明らかになった。(森石らとの共同研究) 4.C-6813株は、C型毒素軽鎖の抗原性とのD型毒素重鎖の抗原性を持つことが知られているが、同様に、毒素遺伝子の全塩基配列を決定したところ、毒素のN端側はC型、C端側はD型とホモロジーが高く、本毒素もキメラ構造(CD型)であることが明らかになった。(森石らとの共同研究) 5.以上の結果より、調査した11株(血清型でC型5株、D型4株、CとDの両方に反応する型2株)はすべて1種類の毒素遺伝子を持つことがPCR法により明らかとなった。そして、CとDの両方に反応する型の2株はキメラ構造(それぞれDC型とCD型)の毒素を持つことが明らかとなった。今後は、これらの株についてサザンブロット法も行い、毒素遺伝子のコピー数などについてもより詳細に検討を行う予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)