Project/Area Number |
08770207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
吉野 健一 国立小児病院, 小児医療研究センター, 研究員 (90280792)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スーパー抗原 / エルシニア菌 / アミノ酸配列 / 塩基配列 / バリアント / 合成ペプチド / マイトジェン活性 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
我々はYersinia pseudotuberculosisが産生する新規なスーパー抗原(YPM)を見いだし、これを精製、その一次構造を明らかにした。YPMは既知の細菌性スーパー抗原のみならず、一次構造の知られているどのタンパク質とも相同性がない全く新規なタンパク質であった。 本研究ではYPMに加えてエルシニア菌由来の新規なスーパー抗原YPMbを見いだし、その精製、さらにこれをコードする遺伝子の塩基配列を決定することによってその一次構造および生物学的性質を明らかにした。YPMbと既知のYPM(YPMa)の前駆体蛋白質間の相同性はアミノ酸レベルで82%、遺伝子レベルで90%であった。YPMb成熟蛋白質を構成する130残基のアミノ酸残基のうちYPMaと相同な残基は108残基で、アミノ酸レベルの相同性は83%であった。以上の結果から、YPMbは最小活性発現量およびVβレパトリ-の生物学的性質は既知のYPM分子とは同一ながらアミノ酸配列の異なるバリアント分子であることが明かとなった。決定された塩基配列からYPMbのN末端側とC末端側は比較的良く保存されているが、中央付近に多くの置換が見られた。このことから、YPMのアミノ酸配列において、N末端領域やC末端領域に比べて、分子中央部はYPMの機能においてその重要性が低いことが示唆される。 本研究ではさらに、YPMa部分ペプチドを化学合成し、YPMaによって誘起されるリンパ球増殖活性に対するそれらの阻害能を調べることによってさらにYPMの構造と機能との相関を検討した。7種の部分ペプチドのうちN末端側23残基からなるペプチドだけが特異的な阻害能を有していた。IC50は約50μMであった。YPMのアミノ酸配列において、少なくとも23残基までのN末端側領域がリンパ球増殖活性に重要であることが明かとなった。このことはYPMaとYPMb分子間のN末端側アミノ酸配列における高い相同性からも強く示唆される。
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