CD45チロシンホスファターゼによるB細胞基質タンパク質の制御機構
Project/Area Number |
08770243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
片桐 達雄 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物・免疫学研究部門, 主事研究員 (00233742)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | B細胞抗原受容体 / シグナル伝達機構 / CD45 / Lyn / 未熟B細胞 / WEHI-231 / 成熟B細胞 / BAL-17 |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体(BCR)を介したシグナル伝達機構におけるCD45の役割の解明を目的として、未熟および成熟B細胞株より、それぞれ樹立したCD45陰性クローンを用いた解析を行い以下の結果を得た。 1.未熟B細胞株WEHI-231におけるCD45の生理的基質 1)BCRを構成する各種チロシンリン酸化酵素(PTK)を解析した結果、CD45陰性クローンでは親株と異なり、Lynの恒常的なリン酸化と活性の上昇が認められた。ホスフォアミノ酸解析の結果、この恒常的なリン酸化はチロシン残基に特異的であった。さらに、CD45陰性クローンを^<32>Pで代謝的ラベルして、無刺激時におけるLynのチロシンリン酸化部位の決定を行った。この結果、Lynの自己リン酸化部位(ポジィティブ制御部位)であるY397とネガティブ制御部位であるY507の双方のリン酸化が認められた。これらの結果は、未熟B細胞においてはCD45はこの両方の部位の脱リン酸化に関与していること、およびY397・Y507の双方がリン酸化されたLynは活性が亢進していることを明らかにした。 Lyn以外の基質とLynの下流シグナルの解析では、Blk、PLC-γ1およびBtkの活性とリン酸化量を比較検討したが、CD45の有無による有意な差は検出できなかった。これは、LynがB細胞ではCD45の特異的な基質であることを示唆している。現在、PLC-γ2、P13KおよびHS1等について検討中である。 2.成熟B細胞株BAL-17のCD45陰性クローンでチロシンリン酸化を受けないタンパク質の解析 このタンパク質は親株ではBCR刺激後、10分以降に顕著なリン酸化が認められた。各種抗体を用いたウエスタン解析の結果、Lyn、Fyn、SykおよびBtkとは一致せず、このタンパク質のバンドはFynとSykの中間に位置した。現在、このタンパク質の同定方法について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)