Research Abstract |
1.ガソリン中のethyl tertiary-butyl ether(ETBE)含有量の測定 山梨県で販売されているガソリン(5社,各々レギュラーとハイオク)を入手した。 各社ガソリンをガスクロマトグラフで分析したところ,ETBEは検出限界以下であった。 2.ETBEの分配比 methyl tertiary-butyl ether(MTBE),ETBE,tertiary-amyl methyl ether(TAME)およびこれらの物質の主要な代謝物であるtertiary-butyl alcohol(TBA)とtertiary-amyl alcohol(TAA)の水,油,Wistar系雄性ラットの血液と組織に対する分配比を求めた。エーテル類(MTBE,ETBE,TAME)は,水と血液にあまり溶けないが,油にはよく溶けた。一方,アルコール類(TBA,TAA)は、水と血液に対する溶解度が高く,油にもよく溶けた。また,エーテル類は,脂肪と腎には比較的よく溶けたが,それ以外の各組織に対する溶解度は低かた。一方,アルコール類は,脂肪を含む各組織に概ね均等に溶けた。ただし,TBAの脂肪に対する分配比は比較的小さかった。 3.ETBEの代謝実験 in vivo:ETBEをWistar系雄性ラットに腹腔内投与し,血中濃度を測定した。母物質のETBEと代謝物のTBAは検出されたが,acetaldehydeは検出されなかった。disulfiram(ALDH阻害剤)を投与しても,同じ結果であった。in vitro:Wistar系雄性ラットの肝ミクロソームを分離,これに補酵素とともに基質(ETBE,〜16mM)を返応させたが,反応液中にacetaldehydeを検出することはできなかった。
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