Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
環境中の発がん性物質は,生体内で代謝を受け,その代謝産物がDNAと結合し付加体を形成する。DNA付加体を定量することは,発がんのリスク評価上重要である。しかし同程度の暴露でも付加体濃度には非常に大きな個人差があることがわかってきた。この個人差の原因を解明しなければ個人のリスク評価にはつながらない。今研究では個人差に影響する因子として薬物代謝酵素の遺伝子多型性およびDNA修復能について検討した。 健常成人男性の喫煙者群,非喫煙者群においてリンパ球DNA付加体濃度を代謝酵素の遺伝子型別に比較した。DNA付加体の測定には^<32>Pポストラベル法を使用し,主に芳香族系物質の付加体を定量した。薬物代謝酵素遺伝子多型はCYPlA1,2E1およびGSTM1,T1についてPCR法により解析した。 喫煙者の付加体濃度は,非喫煙者群に対し有意な増加を示した。遺伝子多型の影響に関しては,CYP変異群やGST欠損群での付加体の増加を予想したが有意な影響はみられなかった。 DNA修復能については,リンパ球よりRNAを抽出しRT-PCR法により,修復酵素のmRNAを定量することによりその発現量をみるべく測定法の基礎的検討中である。
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