人工知能的モデルによる虚血性心疾患の一次予防の長期的効果と経済的効率の評価
Project/Area Number |
08770273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
片山 貴文 徳島大学, 医学部, 助手 (60268068)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 経済的評価 / 費用-効果分析 / 遺伝的アルゴリズム / 人工知能 / 虚血性心疾患 / マルコフモデル |
Research Abstract |
虚血性心疾患の予防は、わが国の保健上重要な課題である。しかしながら、一次予防の費用と健康改善との経済的な比較は、長期的な視点からは実施されていない。そこで薬剤の経済的評価を実施し、人工知能的手法を用いて、一次予防の経済的効率に関する評価を試みた。分析には、医学的情報を反映させやすいマルコフモデルを採用した。マルコフモデルの構築法は、今回新たに開発した遺伝的アルゴリズムに基づく方法を用いた。この方法により、マルコフモデルの状態数、状態遷移パスの有無、状態遷移確率の最適な値を推定した。分析に必要なデータは、わが国における狭心症と心筋梗塞の予後情報を、MEDLINEにより収集した。また、これらの情報からメタアナリシスを実施し、統計的統合化を行った。虚血性心疾患の発症率については、AndersonのWeibull関数を利用した。費用は診療録に基づいて、直接費用のデータを入手した。経済的効率を評価するために、分析期間を80歳までとし、費用-効果分析を実施した。この際、費用の現在価値を把握するために、年5%の割引きを行った。メタアナリシスを実施した結果より、1年あたりの梗塞後の急性期死亡率は17.7%、慢性期死亡率(心臓死)は2.1%となった。事例として、55歳の男性で最高血圧148mmHg、総コレステロール値275mg/dlの患者について、長期予後を推定した。薬剤による介入がない場合の80歳時の有病状態は、変化なし25.6%、狭心症7.4%、心筋梗塞13.4%、死亡53.6%となった。一方、薬剤による介入がある場合の有病状態は、変化なし31.1%、狭心症6.5%、心筋梗塞10.8%、死亡51.6%となった。費用-効果分析を実施した結果より、生存年を1年延長するための費用が、55歳の男性で320万円、女性で640万円と推定された。
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Report
(1 results)
Research Products
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