分子生物学的手法を用いた人造鉱物繊維のリスクアセスメントに関する研究
Project/Area Number |
08770292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (30258628)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | クリソタイル / アスベスト / セラミックファイバー / RT-PCR / 肺 / 肺胞マクロファージ / クロシドライト / チタン酸カリウム |
Research Abstract |
【研究目的】我々は,肺の線維化のバイオマーカーとなる遺伝子を検討するため、鉱物繊維を曝露したラット肺における多数の遺伝子解析についてRT-PCR法を用いて行った。 【方法】まず、タバコと鉱物繊維が肺のリモデリングへの協調作用を検討するため、クリソタイル,セラミックファィバ-をラットに2mg気管内注入しその後,煙草の吸入曝露を1ヶ月間行い、肺及び肺胞マクロファージのサイトカインのmRNAの発現を検討した(実験1)。 さらに繊維間の比較を行うため、クロシドライト,チタン酸カリウムファイバーも同様に気管内注入後1ヶ月間放置して上記の検査を行い、4つの繊維間で比較検討した(実験2)。 【結果】有意な結果のみ、以下に示す。 (実験1)鉱物繊維曝露により、MMP-1(lung)、IL-1α(AM)、TNFα(lung)の発現が増加し、タバコ曝露では、MMP-1(lung)、IL-1α(AM)の発現が増加した。 また、鉱物繊維とタバコの協調作用は、MMP-1(lung)、MMP-2(lung)、IL-6(lung)で認められた。 (実験2)繊維間の比較では、IL-1a(AM)の発現量は、チタン酸カリウム>クリソタイル>クリソタイル>セラミックの順であった。 【まとめと今後の展望】我々の系においてMMP-1、MMP-2、IL-1α、TNFα、IL-6、特にIL-1αはリモデリングの良い指標となると考えられた.このようにRT-PCRを用いれば多因子系の解析も可能であるため鉱物繊維のリスクアセスメントに有用であると考えられた。今回は、鉱物繊維曝露後1ヶ月の亜急性期のみの検討のため、今後は、急性炎症から肺の繊維化等が完成される肺のリモデリングの各段階での評価を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)