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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
近年,作業環境の改善が進み,浮遊粉じんの濃度が著しく低下した作業場も多い。しかし,現場の環境中には様々な種類の粉じん粒子が浮遊しており,作業者が複数の種類の粉じんに曝露していることも少なくない。例えば,鋳物工場における金属フュームと鉱物性粉じん(鋳物砂,研磨砂)などが考えられる。そこで本研究では,作業者の健康影響の評価や現場の改善に応用するため,作業環境中に浮遊する物性の異なる粉じんを観測する実用可能な手法を検討している。 本年度は,A社自動車車体工場の8単位作業場所(溶接および研磨,ハンマー作業)および,B社自動車部品工場の6単位作業場所(自動車用クラッチディスクの組み立て作業)において,観察試料を採取し,電子顕微鏡および光学顕微鏡によるそれぞれの試料の観察および検討を行った。試料採取を行ったA社の作業場では溶接作業による金属ヒュームや,研磨作業による金属粉および研磨剤が同時に浮遊している。さらに各作業場で行われた主な作業内容によって浮遊する粒子成分も変化していた。また,B社作業場に比べてA社作業場は粉じん濃度が高いためにろ紙上の粒子密度が大きく,有効な観察を行うために必要な捕集条件も異なっていた。試料採取に関しては予想外に機器の準備が遅れたために,残念ながらサーマル・ブレシピテーター(熱沈着方式)等の様々な捕集方式による試料採取が十分に行えていない。現状では本研究の進行状況はまだ不十分であり,さらに検討が必要である。
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