マイクロ固相抽出(SPME)による農薬類の簡易抽出法
Project/Area Number |
08770309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
妹尾 洋 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50236113)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マイクロ固相抽出(SPME) / ガスクロマトグラフィー / カ-バメート剤 / イソプロカルブ / XMC / フェノブカルブ / キシリルカルブ / プロポキスル |
Research Abstract |
今回の研究では、カ-バメート剤についてヒト全血及び尿からのヘッドスペースマイクロ固相抽出(SPME)による抽出法につき検討した。 使用した農薬は、イソプロカルブ、XMC、フェノブカルブ、キシリルカルブ、プロポキスル、カルボフランの6種である。各種キャピラリーカラムを用いガスクロマトグラフィー(GC)の条件を検討した結果、カラムはRtx-35キャピラリーカラム(30m×0.32mm、膜厚0.25μm)が最適であった。GCの各条件は、注入口温度185℃、カラム温度100-200℃、検出器温度200℃とした。次に、SPMEによる抽出操作を検討した。膜厚100μmのポリジメチルシロキサンファイバーを使用した場合が、夾雑物の少なさや回収率に優れていた。実際の抽出操作は以下のように設定した。全血では、7.5mlのバイアル瓶に100μlの試料(1μgの各農薬添加もしくは非添加)と蒸留水900μlを容れ、0.5gのNaClを加えた。尿では、1mlの試料(1μgの各農薬添加もしくは非添加)を7.5mlのバイアル瓶に容れ、0.5gのNaClを加えた。バイアル瓶をシリコン栓付きキャップで密栓し攪拌後、70℃で10分間加温した。その後SPMEファイバーをヘッドスペース内に露出し、30分後にホルダーをバイアル瓶から抜き、直ちにGC分析を行った。 各農薬のピークは不純ピークとの重複はなく、回収率は、全血では0.582-1.87%、尿では2.97-20.6%であった。全血に各農薬を添加して検量線を作成したところ、イソプロカルブ、フェノブカルブでは0.4-10μg/ml、他の4種では2-10μg/mlの範囲で直線性を示した。検出限界は、全血では0.1-0.5μg/ml、尿では0.01-0.05μg/mlで、カーバーメート剤中毒報告例での農薬の血中濃度は、今回の方法で十分検出可能な濃度であった。SPME法は従来の抽出法に比し簡便で、定量性に問題はみられず、法中毒学的に有用と思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
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