アルコールの中毒作用に対して非酸化代謝過程のおよぼす影響
Project/Area Number |
08770310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 博志 京都大学, 医学研究科, 助手 (60263092)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アルコール / アルデヒド脱水素酵素 / 代謝 / 多型 / 酢酸 / 脂肪酸エチルエステル |
Research Abstract |
急性アルコール中毒死の剖検例においてエタノールの非酸化物である脂肪酸エチルエステル(FAEE)の高濃度の諸臓器分布が報告されて以来、FAEEは酸化的酵素活性の低い臓器においての障害発生原因として注目されてきた。しかしながら、FAEEの分解によって生じるfreeの脂肪酸に細胞毒性があることや酸化的代謝によって生じるアセトアルデヒトを含めた酸化的ストレスを考慮すると、FAEEはむしろ高濃度のエタノールによる酸化ストレスに対する防御機構として生じる可能性がある。そこでこの研究では、Wistar系雄ラットを用いて、ALDH多型とエタノール代謝動態の関係を調べ、それらのFAEE産生に及ぼす影響を検討した。エタノール代謝動態解析では、in vivoにおいて1g/kgを静脈投与した。投与後経時的に血中のエタノール濃度ならびに酢酸濃度を測定し、得られたエタノール濃度曲線ならびに酢酸濃度曲線を解析した結果、エタノール浪度曲線において差は認めないものの、酢酸濃度曲線については2型に分類された。さらに、肝ALDH多型分析を行ったところ、mitochondrial ALDHにおいて多型(2型)が認められ、先の酢酸濃度曲線の2型とそれぞれ一致した。このmitochondrial ALDH多型が血中酢酸濃度に影響を及ぼしたことから、Wistar系ラットのFAEE産生に対して血中酢酸濃度ならびにALDH多型の及ぼす影響は無視できないことが示唆された。現在ALDH遺伝子の変異点を検索中であり、遺伝子多型診断によって2群に分けFAEE産生との関係を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
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