Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
心筋ミトコンドリア(mt)DNAにみられる,特定領域の欠失の有無と年齢との関係を検索した. 材料:当教室の法医剖検例のうち,生後1ヶ月から91歳で各年齢層に広く分布している55例の心筋組織を材料とし,定法に従いプロテイナーゼK/フェノール・クロロホルム法でDNAを抽出した. 心筋mtDNAの欠失の検索:PCR法によって代表的な二領域の欠失を検索した:1.ATPase6とDループ領域間の7,436bpの欠失の存在について,1,002bpの増幅産物が得られるようにプライマーを設定した.一方,COI領域中の1,030bpをターゲットとしてpositive controlの増幅とした.2.ATPase8とND5間の4,977bpの欠失の存在について,242bpの増幅産物が得られるようにプライマーを設定した.一方,欠失領域を含んだ324bpをターゲットとしてpositive controlの増幅とした.positive controlの増幅が認められることを前提として,欠失領域の増幅の有無によって欠失の有無を判定した. 結果:1.年齢と心筋mtDNA欠失の有無について,両欠失ともに欠失存在群が欠失非存在群に比して,年齢が有意に高かった.2.欠失の存在する最低年齢は7,436bpの欠失で27歳,4,977bpの欠失で29歳であった.また,欠失の非存在の最高年齢は7,436bpの欠失で48歳,4,977bpの欠失で47歳であった.今回検索した二領域の欠失はほとんど,同時に出現していたが,一致しないものも数例認められた.3.放射性同位元素標識のプライマーを用い,増幅サイクル数10から40回で増幅後,各サイクル数の増幅産物の比活性から鋳型DNAの欠失/正常比を検量したが再現性に問題があり,現在方法の改良を試みている.4.今後,前記3.の方法に加え,competitive PCR法による検量を行う予定である.
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