Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
[目的]ヒト各種自己免疫疾患に対する抗ICAM-1モノクローナル抗体の臨床応用を目的に当科で作製したキメラ型抗ICAM-1抗体cHA58を中心に,これら接着分子に対する抗体による免疫調節作用の機序について検討する. [結果・考察]既にICAM-1産生性大腸癌細胞株BM314において,cHA58処理によりICAM-1の発現が蛋白レベル,及びmRNAレベルにおいて低下することを確認した.但し,ICAM-1分子の発現を強く誘導することが知られている炎症性サイトカイン,特にγインターフェロン処理によるICAM-1の発現増加を,cHA58は抑制することが出来なかった.そこで実際の組織において炎症形成に参加する各種細胞株,特にリンパ球・形質細胞系培養細胞を用い,cHA58の効果を検討した.ICAM-1の産生がよく観察されるB細胞・形質細胞においてもcHA58処理により細胞表面のICAM-1分子発現の低下傾向,及び遺伝子レベルでのdown regulationを示唆する所見が得られ,現在その機序につき引き続き検索中である.またcHA58とは異なった別のエピトープを認識する抗ICAM-1モノクローナル抗体には上記の現象はみられず,これらの作用はLFA-1とICAM-1との結合阻害に加え,cHA58特有の作用である可能性が示唆され大変興味深い.今後,cHA58の認識するエピトープを同定し,ペプチドや抗イディオタイプ抗体によっても同様の免疫調節作用が観察されるかどうかを含め検討することを予定している.
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