Project/Area Number |
08770349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西本 和弘 近畿大学, 医学部, 助手 (00247983)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 自律神経 / 長期臥床状態 / 筋肉萎縮 / 交感神経α機能 / 交感神経β機能 / 副交感神経 / 痴呆 / 循環調節 |
Research Abstract |
今年度、私達は高齢者の長期臥床患者15例(男6、女9;平均年齢81.2±2.1歳)と年齢を合致させた健常対照12例(男5、女7;平均年齢81.3±2.1歳)の自律神経機能をヴァルサルヴァ法(VM)に伴う血圧変化,軸索反射性発汗検査(QSART)、呼吸性心拍変動にて評価した。長期臥床患者は、起立性低血圧を伴う6例(OH+群)と伴わない9例(OH-群)に分かれた。OH+群、OH-群、健常対照群いずれもVMに伴う血圧変化後期第II相の低下が見られたが、VMに伴う血圧変化第IV相はOH+群でのみ低下していた。QSART、呼吸性心拍変動はOH+群、OH-群で健常対照群に比べて低下が見られたが両群間に差異は存在しなかった。以上の結果は長期臥床は交感神経α機能及びムスカリン機能及び副交感神経機能の低下を生じさせる。そして何らかの原因で交感神経β機能障害がさらに加わると起立性低血圧が発症するものと考えられた。この結果は下肢筋肉が運動機能ばかりでなく、血圧循環調節緩衝帯として重要な役割を果たしている事を示していると思われたが、加齢・基礎疾患・神経ホルモン等さらに他の要因に関する検討がさらに必要である。長期臥床患者の痴呆の原因として多発性脳梗塞が指摘されているが、この原因として筋肉萎縮に伴う下肢循環調節機能の低下にさらに交感神経β機能障害が加わると全身循環調節状態に陥り、これが脳循環に影響を及ぼして脳梗塞の発症を誘発している事が可能性の一つとして示唆され、長期臥床患者に下肢筋力増加を目的としたリハビリが痴呆発症予防に重要な意味を持つと考えられた。
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