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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
A.抗星細胞モノクローナル抗体の解析 1.抗星細胞モノクローナル抗体を作製した結果,線維化の進展する肝に発現するエピト-ブを認識することが判明した.本分子はWestern Blotによる解析では分子量78 KDaである.本分子を同定するために,星細胞からcDNA libraryを作製し,pBluescript II (+)にligationしてpBR322細胞へとtransformした.得られたtransformantが作製する蛋白をnitrocellurose膜に写し取り,モノクローナル抗体と反応する蛋白を産生しているcloneをスクリーニングしたがpositive signalが得られなかった.この原因として,1)libraryの問題,2)Screeningの問題,の二つが考えられる.これらを克服するために,再びlibraryを作製し、今後はλ gtllに組み込んで抗体でスクリーニングする方法へ転換した.現在スクリーニングを継続中である. B.星細胞のtransformationを制御する機構の解析 1.星細胞のtransformationを制御する機構の解析は肝の線維化を解明するために重要なテーマである.cAMP関連物質やmethylxanthine類が星細胞の形質転換を阻害することを観察して報告した(Dig Dis Sci).また,新しい星細胞の活性化マーカーとしてNCAMが有用であることを報告した(Cell Tissue Res).さらにretinoic acidが星細胞のTGFβ産生をupregulateすることで肝の線維化を促進することを観察した.(paper in submission).今回,NOが本transfomationを調節する重要な因子であることを見出した.星細胞をLPSやIFNγで刺激するとそのDNA合成とsmooth muscle α-actin産生が抑制される.また,星細胞をLPSやIFNγで刺激するとその培養上清中にはnitriteが増加する.そこで,LPSやIFNγで刺激するときに,LNAを同時添加してNOの産生をblockしてみた.その結果,DNA合成は有意に回復した.また,smooth muscle α-actinの発現抑制も明らかに解除された.この様な結果から,NOは星細胞の活性化を負に制御する重要な内因性物質であることが考えられ,さらに検討を進めている(BBRC,in press).2.星細胞の活性化と関与する転写調節因子の解析---星細胞の活性化は種々の遺伝子発現誘導を伴うため,その遺伝子発現を制御する転写調節因子の動態を調べることも大切である.あらたに見つかったSTATが星細胞にも発現しており,interferonのみでなくPDGF刺激でも活性化されることから星細胞の増殖と深く関与する可能性がある(paper in submission).
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