Project/Area Number |
08770377
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 志郎 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50271185)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | クローン病 / 肉芽腫 / 細胞培養分子 / ケモカイン |
Research Abstract |
クローン病(以下CrD)の非乾酪性肉芽腫形成は、CrDに特徴的な病理組織学的所見としてよく知られているが、その形成機序や病因・病態との関係はいまだ不明の点が多く残されている。申請者らは、これまでCrDの肉芽腫に関して細胞接着分子の面から研究し、肉芽腫が全ての白血球インテグリンを発現する非常に特徴的な活性化MΦにより構成されることを明らかとした。今回は、1)新たな接着分子B7とそのカウンターリセプターCD28の発現分布、2)肉芽腫形成におけるケモカインの関与、3)酵素染色によるリンパ管と血管の分布について検討した。15EA02:1)B7とCD28に関する検討:B7は、潰瘍性大腸炎(以下UC)、CrDの潰瘍底に存在する漫潤マクロファージ(以下MΦ)やCrDの肉芽腫を構成するMΦ系細胞に著名な発現が認められ、その周囲にはCD28陽性のリンパ球が集簇していた。B7は、MΦなどの抗原提示細胞とリンパ球の相互作用において抗原特異的な免疫反応の成立に決定的なcostimulatory signalをあたえるaccesory moleculeであり、この接着分子の発現が肉芽腫において顕著な発現が認められたことから、クローン病では肉芽腫を中心に疾患特異的な免疫反応が生じている可能性のあることが示唆された。2)クローン病肉芽腫におけるケモカイン発現の検討:単球/MΦ系細胞に対し走化能を示すケモカイン(MCP-1,MIP-1α,1β,-2α)について検討した。完成された肉芽腫の典型像であるサルコイド様肉芽腫ではケモカインの発現は認められず、多数の類上皮細胞やリンパ球からなり、その形成過程の初期段階にあると考えられる肉芽腫でMIP-1αのみの発現が確認された。MIP-1αが、肉芽腫形成において最も重要なケモカインと考えられた。3)リンパ管血管の酵素染色:PLP固定では染色されず、固定法からの検討が必要と考えられた。
|