Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ヒト臨床検体での検討に先立ち,ハムスターのプレオマイシン肺線維症モデルを用い,肺の線維化におけるテロメラーゼの関与につき検討した.プレオマイシン0.5U/100g BW経気管投与後,4,14,28日目のハムスターの肺組織,BALF細胞,肺組織由来線維芽細胞の各々につき,テロメラーゼ活性を測定した.線維芽細胞のテロメラーゼ活性は,Control群(C群),Bleomycin群(B群)とも検出されなかった.肺組織およびBALF細胞では,低レベルのテロメラーゼ活性(5〜40 TPG units)が検出される検体も認められたが,B群とC群で有意差は認められない傾向にあった.検出されたテロメラーゼ活性は,出血による血球系細胞由来である可能性も示唆され,ハムスターのプレオマイシン肺線維症モデルでは,テロメラーゼの関与は少ないと考えられた. また,癌細胞におけるテロメラーゼの関与につき検討するため,まず,肺腺癌細胞株A549を用い,抗癌剤(Paclitaxel,Cisplatin)によるテロメラーゼ活性の変化について検討した.A549のテロメラーゼ活性は,Paclitaxel処理により,濃度・時間依存性に減弱した.また,Paclitaxel処理後のテロメラーゼ活性の減弱は,可逆性であった.また,Cisplatin処理では,cell viabilityが保たれている状態でも,テロメラーゼ活性は濃度依存症に減弱した.抗癌剤処理後の癌細胞のテロメラーゼ活性の評価は,細胞が受けた傷害レベルの評価になる可能性もあり,今後さらにその意義につき検討を加える予定である.
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