Project/Area Number |
08770437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
家永 浩樹 順天堂大学, 医学部, 助手 (30212723)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ミトコンドリア / free radical / 巨大欠失 / ragged red fiber / CCO negative fiber / hydroxymoneral |
Research Abstract |
ミトコンドリア(以下mt)遺伝子異常の背景因子に環境またはmt自身で産生されるfree radicalの影響が指摘されている。生体における最大の好気的環境下にある呼吸器系細胞でのmt遺伝子異常発生の可能性を推定し、環境の及ぼす影響について検討した。まず手術、剖検で得た肺(23例)、横隔膜(20例)、間質性肺疾患症例を中心とするBALF細胞(22例)、PBL(16例)についてmt遺伝子異常を検出した。 約5kbの巨大欠失(common deletion)が横隔膜において、20例中18例という極めて高率に認められた。現在までのところ年齢、性、背景因子等による有意な差は認められていない。そこで、凍結切片を用いてGomoriトリクローム変法、CCO、SDH染色を行い、横隔膜におけるmt機能異常の検出を行った。その結果、ragged red fiber(RRF)は20例中15例(75%)で認められ、COPDなど罹病期間が長い症例程増加する傾向にあった。CCOnegative fiber(CCO/N)は13例(65%)で検出され、高濃度酸素投与を伴う人工呼吸器装着例で多く認められた。癌化学療法例はRRF、CCO/N共に増加していた。free radicalにより生じる脂質過酸化物であるhydroxynoneral(HNE)の免疫組織学的検討では、HNE陽性例は全例CCO/N陽性例である事が確認され、上記背景因子(高濃度酸素環境)によるmt障害の影響の存在を支持する結果であった。一方肺組織においては間質性肺炎の一部の症例で肺組織の肺胞マクロファージ、気道上皮、肺胞上皮細胞でHNE陽性所見が認められた。肺においてmtDNA異常、機能異常を示す例は、横隔膜ほど顕著ではなかったが、慢性喫煙、抗癌剤投与、高濃度酸素投与の影響につき、更に検討する必要があると考える。
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