Project/Area Number |
08770464
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00244913)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 重症筋無力症 / 胸腺 / CD44 / アナジー |
Research Abstract |
重症筋無力症(MG)はアセチルコリン受容体(Ach-R)に対する抗体を介した自己免疫疾患である。B細胞からの抗Ach-R抗体産生はT細胞依存症であり、Ach-R特異的T細胞は胸腺内に高頻度に依存する。T細胞のAch-Rに対する自己反応性は胸腺内で獲得されることが推察されている。しかしAch-R特異的T細胞は健常人からも検出される場合がある。またMGは幼少児期よりも成人以後の発病の頻度が圧倒的に高い。最近、胸腺内の負の選択は完全ではなく一部の禁止クローンは除去されずに末梢血に出ていることが分かってきた。しかし、通常この事だけでは自己免疫疾患は発症しない。末梢においても自己反応性を排除する機構があるためであり、自己反応性T細胞の不活性化(clonal anergy)などが知られている。おそらくMGが発症するための最も重要なステップはAch-R反応性T細胞が胸腺内除去を免れる事ではなく、何を契機として、どこでどの様に再び活性化されるかにあると考えられる。最近,in vitroではAch-R反応性T細胞が副刺激の阻害によりanergyに陥ること、IL-2によりanergyから解除されることが報告されている。我々はこの点に関連し以下の点を明らかにした。1.MG例過形成胸腺ではCD44陽性細胞の発現が著しく亢進しており、小葉周囲の結合織から皮質、一部髄質にまで及んでいる。その存在様式やCD45R0陽性細胞との分布上の類似性,CD44の機能に関する最近の知見から、CD44陽性細胞の発現亢進の所見は、memory cellの胸腺への再循環亢進を示すものと考えられる。2.CD44陽性細胞の発現亢進部位に一致して、anergy解除可能なシグナルであるB7の発現やIL-2産生が亢進している場合がある。このことは、Ach-R反応性T細胞が胸腺への再循環に引き続き十分な活性化を受け得ることを示している。
|