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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
(1)インビトロ培養系の確立:ミクログリア,脳神経細胞,血管内皮の細胞培養を行った.ラット胎児脳より混合グリア細胞の一時培養を行い,振盪法を用いてミクログリアをメディウム中に浮遊させ回収した.リドカインにて処置することで回収率が改善するのが認められた.ラテックス貧食能,ED1モノクローナル抗体での染色にてミクログリアを同定した. 低酸素時および再酸素化時の活性化の測定:一過性の低酸素および再酸素化によりミクログリアを活性化し形態的変化,細胞増殖能力をまず検討した.形態的観察にはVEC-DIC(video-enhanced differential-interference contrast)顕微鏡を用い12,000倍にて観察した.ミクログリアが反応性に偽足を出し盛んに運動する状態および細胞周囲の膜の流動的運動(ruffling)が観察された.次に低酸素負荷による生化学的検討として細胞内カルシウム,pHの変化を測定した.細胞内カルシウムの測定には,Fluo3を,pHの変化にはBCECFを用いた.再酸素化に伴い細胞内カルシウムの上昇を認めた.また,低酸素時にミクログリアの細胞内pHが低下するのが観察された. 反応性ミクログリアの脳神経障害作用,組織修復作用:上記の低酸素負荷および再酸素化時にミクログリアの産生するフリーラジカル,各種サイトカインを測定した.フリーラジカルの測定には細胞内の反応性酸素種(ROS)の測定に蛍光色素DCFを,また細胞外の活性酸素(スーパーオキシド)の測定にはMCLAを用いた.ミクログリアの活性に伴いフリーラジカルの産生がみられた.また、組織修復能としてはHL-1によるアストロサイトのグリオーシス誘導,IL-3,GM-CSFなどの分泌が確認された.
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