Project/Area Number |
08770498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江森 哲郎 岡山大学, 医学部, 助手 (20273964)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | QT間隔 / 周波数解析 / 自律神経 |
Research Abstract |
本研究では、自律神経の心室再分極相に対する、心拍数変動を介さない直接的な影響を検討するために、心電図のQT間隔変動の周波数解析を施行した。まず、研究を開始する前に方法上の準備として、QT間隔の自動計測と高速フーリエ変換による周波数解析のコンピュータープログラムの開発を行った。【方法】心室再分極異常のない上室性不整脈患者12名を対象とした。洞調律、心房ペーシング、心房ペーシング+自律神経遮断(propranolol0.1mg/kg、atropine 0.04mg/kgを静注)の状態で呼吸回数を12回/分に調節しFrank誘導にて1KHzサンプリングで心電図を記録した。RR間隔とQT間隔を自動的に計測、連続512拍のRR間隔の変動(RRV)とQT間隔の変動(QTV)を高速フーリエ変換し、周波数解析を行った。【結果】洞調律時、QTVpowerはRRV powerに相関しており(QTV mean total power =17.4±4.6 msec^2,RRV mean total power =2465±886 msec^2,r=0.66)、QTVの周波数解析では低周波数帯域および高周波数帯域にRRVと一致したピークが認められた。しかし、心房ペーシングによってQTVのRRVに一致した周波数のピークは消失、QTV powerは減少し、さらに自律神経遮断を加えてもQTVは明らかに変化しなかった。【考察】心房ペーシングによって心拍数変動の影響を除外した後にQTV powerが減少し、自律神経遮断を追加してもQTVの特定の周波数帯に変化が認められなかったことから、短期間での一心拍毎のQT間隔の変動は、主にRR間隔変動の影響を受けており、自律神経活動の心室への直接的な影響を反映していない可能性が高いと考えられた。心室再分極相に対する自律神経活動の影響は、QT間隔変動の超低周波数帯域に反映されている可能性が推測された。
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