Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
【目的】Inositol 1,4,5-trisphosphate(IP_3)は,種々のsignal伝達の重要なsecond messengerである。またIP_3受容体に結合し,そのIP_3受容体は細胞内storeより|Ca^<2+>|放出を引き起こす。これらは平滑筋細胞の収縮や肥大に関与していると考えられている。mechanical stretchは平滑筋細胞の肥大を引き起こすが,平滑筋細胞へのmechanical stretchがIP_3受容体の発現量に影響を与えるかを検討した報告は少ない。本研究はこの点を明らかにするために平滑筋細胞のmechanical stretchによるIP_3受容体発現量の変化を検討した。【方法】ヒト臍帯静脈より平滑筋細胞を培養,type1,2,3IP_3受容体抗体を用いWestern blot法にて各subtypeの蛋白質発現量を比較した。またflexible bottomed culture plate上に平滑筋細胞を培養,Flexercell Strain Unitを用い40k cycle,1hz 20% elongationでmechanical stretchを行い,RT-PCR法にてtype2IP_3受容体mRNA量,type2IP_3受容体抗体を用いWestern blot法にてtype2IP_3受容体蛋白質量の変化を検討した。【結果】血管平滑筋ではtype2IP_3受容体蛋白質が最も多く存在し,type3IP_3受容体蛋白質が最も少なかった。mechanical stretchによるtype2IP_3受容体mRNA量は40k cycleで約60%増加,蛋白質は40k cycleで約30%増加した。 【総括】type1,2,3IP_3受容体蛋白質量は小脳などの神経組織と異なる比率を示し,これが各臓器の|Ca^<2+>|動態の差異に関与している可能性が示唆された。mechanical stretchがIP_3受容体mRNA量のみならず,蛋白質量も増加する事よりIP_3受容体は平滑筋細胞の肥大に関与する事が示唆された。これらより本研究は当初の見込みを達成できたと思われるが,今後とも継続的な検討が必要である。
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