白血病および悪性リンパ腫の遺伝子解析と再発の早期診断への応用
Project/Area Number |
08770555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 幸治 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90273151)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Bloom syndrome / B cell lymphoma / BLM / p53 mutation / microsatellite instability |
Research Abstract |
Bloom症候群(BS)は低身長、日光過敏症紅斑、免疫不全症、高発癌を特徴とする常染色体劣性の稀な遺伝病である。1995年、BSの原因遺伝子としてDNA helicaseと相同性をもつBLMが同定された。私たちは長期経過観察中のBSの兄妹例とその両親のBLM変異につき解析した。また患者に発症したリンパ腫のp53変異、microsatellite instabilityについて調べた。〔方法〕患者兄妹(BS registry No.96,97)および両親を対象とした。患者兄妹は20歳代でともにB cell lymphomaを発症した。末梢血リンパ球よりRNAを採取したのち、cDNAを合成した。Ellisらの報告をもとにprimerを設定しPCR産物をアクリルアミドゲルに泳動した。また、T-vectorにクローニング後オートシークエンサーで塩基配列を決定した。患者リンパ腫よりDNAを採取したのちp53のexon5-9までにprimerを設定しp53遺伝子変異、microsatellite instabilityを解析した。〔結果〕兄妹患者ともにBLM遺伝子に3塩基の欠失が認められ、185番目のアミノ酸にstop codonが生じていた。両親はheterozygoteだった。また兄のリンパ腫にはp53遺伝子変異ならびにmicrosatellite instabilityが検出された。〔考察〕BLM遺伝子は全長4437kb,1417アミノ酸でありDNA helicaseと相同性をもつが、その機能についてはほとんど明らかでない。homoのBLM遺伝子変異をもつ患者はともに20代でB細胞リンパ腫を発症した。患者兄B細胞リンパ腫にはp53変異とmicrosatellite instabilityが認められたことから、BLMがDNA修復または複製に関与している可能性が示唆された。今後、BLMを認識する抗体を作成し機能の解析を行なう予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)