Project/Area Number |
08770608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
稲田 浩子 久留米大学, 医学部, 助手 (90223221)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 小児がん / 病名告知 / QOL |
Research Abstract |
1、インタビューの結果;"白血病"という名前のイメージ(不治の病)が悪く、患児への病名説明をためらう親が多かった。テレビ番組、学校の推薦図書などから、小学校高学年になると"自分の病気は白血病ではないか"と疑う患児が多くみられ、それに答える形で正式に病名を告げ説明したケースがある。発病早期(入院から3カ月以内)に病名を説明した思春期の3例は、治療に対して積極的になっただけでなく、勉強や日常生活においても自立性をもって行動し、自分を大切にするようになった。治療中の患児達の苦しみは、病名ではなく治療過程(嘔吐や脱毛など)や勉強の遅れによるものが主であった。治療終了後では、進学や就職の際に小児がんの既往がマイナス点になることをおそれ記載しない人が多いが、良心の呵責を感じていた。結婚の際、相手の両親に真実を告げたところ反対され、取消しになった例があった。 2、患児に病名を告げる条件として、(1)両親が疾患を受容していること。(2)患児の症状が比較的安定していること。(3)患児が病気を理解できる知的レベルであること(年令ではおおよそ10歳以上)。(4)医療者・両親・患児の間に信頼関係があること。を考えた。 3、小児がんの治療成績は向上しており、小児がん出身者は増加している。病気と闘いながら頑張っている人達の努力を称える方向に、社会の認識を変える必要性を痛感した。また、同じ苦しみを感じながら頑張っている患児の会の充実を望む声が多かった。 4、患児自身への病名説明は、患児の長い人生を考えたとき、とても重要なことである。それには、医療側の勇気と、社会の正しい認識が必要である。
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