培養血管内皮細胞と培養表皮細胞移植を併用した人工真皮の新規な適用法の検討-人工皮膚開発にむけての培養表皮生着率の向上-
Project/Area Number |
08770689
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
副島 一孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00246589)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 人工皮膚 / 人工真皮 / 培養血管内皮細胞 / 培養表皮 |
Research Abstract |
今日、人工真皮が臨床の場で普及しつつあるが、培養表皮の生着率は不良で2期的に分層植皮をせざるを得ず、恵皮部に制限のある疾患の治療に際して培養表皮生着率の向上が望まれている。そこで今回人工真皮移植に培養血管内皮細胞移植を併用してその培養表皮生着率に影響するか否かを検討した。 血管内皮細胞はウィスター系ラットの胸部大動脈より調整し感温性ディッシュ上でexplant cultureすることで培養した。表皮細胞も同種同系ラット皮膚より調整し3T3 feeder layer法にて培養した。次に同種同系ラット背部に全層皮膚欠損創(3×3cm)を作成し、人工真皮(Pelnac^<TM>,GUNZE,Co.,Japan)を移植した。その際に血管内皮細胞を移植床と人工真皮の間に移植した群とそうでない対照群を作成した。3週間経過して真皮様組織が構築された後その上に培養表皮を移植し、その生着の有無を検討した。 ラット大動脈より調整培養された細胞は電子顕微鏡でWeibel-Palade bodyが確認されたことで血管内皮細胞と同定された。人工真皮によって構築された真皮様組織は血管内皮細胞移植群で有意に真皮内上行血管の増加がみられ、また血管網も構築されていた。また対照群と比較して収縮も有意に少なかった。しかし、培養表皮の生着は得られなかった。 人工真皮に培養血管内皮細胞を併用することで真皮内血管が増加しより生体に近い真皮様組織が構築されたと考察されたが、培養表皮の生着率の向上は得られなかった。一般に植皮が生着する過程は血管の再構築によるが、培養表皮のそれは基底膜の再構築によるので血管内皮細胞以外に必要な因子の存在が考察された。また今回用いた血管内皮細胞は大動脈由来のものであったが真皮由来の血管内皮細胞での検討も必要であると考えられた。生体の真皮を構成する因子は未だ未知なものがあそのうちの何が基底膜再構築に必須なのかの検討は今後の課題である。現在、真皮由来線維芽細胞と真皮由来培養血管内皮細胞の混合培養系と人工真皮の併用を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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