脳内神経伝達機能の画像診断を目的とした放射性診断薬の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
08770750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
川井 恵一 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (30204663)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 脳内神経伝達機構 / 神経伝達物質生合成 / 芳香族アミノ酸脱炭酸酵素 / ジフルオロメチルチロシン / 放射性診断薬 / 放射性ヨウ素標識 |
Research Abstract |
本研究課題に関連するこれまでの検討結果より、脳内神経伝達物質の生合成前駆体であるチロシン、ドーパの誘導体^<123>I-AMT、^<123>I-DOPAが、脳におけるそれぞれのアミノ酸膜輸送機能を選択的に測定し得る放射性診断薬として優れた性質を有することを明らかにし、更に、^<123>I-DOPAに関しては部位選択的標識と品質管理の簡便化の観点から、固相化標識法を確立した(06770731,07770764)。本年度は、次の段階として、脳内神経終末に取り込まれたアミノ酸を神経伝達物質に変換する最終反応を掌る芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)の酵素活性測定を目的として、AADCの不可逆的阻害剤であるジフルオロメチルチロシンを標識原料に選択し、その^<123>I標識体の評価を行った。 DFMTは、合成により得た。DFMTの放射性ヨウ素標識は簡便に短時間に終了し、高収率かつ高比放射能で得られた。また、精製の際、生理活性を有する標識原料との分離を確認した。^<123>I-DFMTのラット脳スライスへの集積は、同様の機構によりAADCを不可逆的に阻害するDFMD前処理により有意に低下し、^<123>I-DFMTの脳への集積がAADC活性の指標になると考えられた。しかしながら、マウス体内分布において、アミノ酸代謝の盛んな脳や膵臓への特異的集積は認められず、これらの集積にウワバインやチロシン負荷の影響が見い出されなかったことから、^<123>I-DFMTはアミノ酸膜輸送機構に対する親和性を失っていると考えられた。分配係数のpH依存性を検討したところ、^<123>I-DFMTは生理的pHでは、アミノ基が十分に解離しておらず、結果としてアミノ酸膜輸送機構に対する親和性が低下したと考えられた。現在、^<123>I-DFMTの酵素に対する親和性を保持したまま、脳内移行性を向上させることを目的としたプロドラッグ化に関して検討を継続している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)