腫瘍細胞選択的アポトーシスによる内分泌系悪性腫瘍の遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
08770808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川上 康 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70234028)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 甲状腺癌 / アポトーシス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
内分泌系腫瘍は産生ホルモンが臓器特異的であるため、アポトーシス誘導遺伝子を特異的ホルモンのプロモーターとともに導入すれば、臓器特異的な遺伝子発現をおこなうことが可能である。臓器特異的なプロモーターとして、サイログロブリン遺伝子プロモーター領域を用いて、アデノウイルスベクターを用いて導入した際に、臓器特異性が維持されるかを検討した。その結果、従来報告されていた範囲のプロモーター領域では非甲状腺細胞においてもプロモーター活性が生じてしまうことがルシフェラーゼ解析により判明した。そこでサイログロブリン遺伝子上流領域を広くクローニングして解析した結果、従来報告された部分よりさらに上流に臓器特異性をさらに厳密に決定する調節領域が存在することを発見した。培養系においてヒト甲状腺癌細胞、ヒト甲状腺正常細胞、対照としてヒト肝細胞株(Hep G2)、ヒト線維芽細胞株に上記プロモーターとともにアデノウイルスベクターによりマウスFAS遺伝子を導入した結果、甲状腺細胞にFASが選択的に発現し、抗FAS抗体添加により選択的にアポトーシスへと誘導できた。ヒト甲状腺手術検体におけるサイログロブリンプロモーター活性はサイクログロブリン濃度が検出感度以下のものでも存在した。これらの腫瘍から樹立した初代培養細胞をヌードマウスに移植し、FAS遺伝子導入後、抗FAS抗体を投与した結果、腫瘍選択的にアポトーシスを惹起しえた。以上の結果はFAS遺伝子導入による甲状腺癌モデル動物の遺伝子治療が可能であることを示した。今後、安全性の問題が確認されればホルモン産生臓器由来の悪性腫瘍の遺伝子治療法として臨床応用が可能であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)