Project/Area Number |
08770810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
笹岡 利安 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00272906)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Insulin / Insulin Receptor / Shc / IGF-1 |
Research Abstract |
ShcはPTB、CH、および、SH2ドメインより構成されている。ShcはPTBまたはSH2ドメインを介して膜受容体と結合する事によりシグナル伝達に関与すると考えられている。そこで、インスリンの増殖作用と代謝作用発現に至るShcの重要性をそのドメイン別、細胞別に検討した。インスリン受容体を発現したRat1線維芽細胞(HIRc)では、Shc-CHおよびShc-SH2GST融合蛋白のマイクロインジェクションはインスリン刺激によるBrdU取り込みに影響を与えなかったのに対し、Shc-PTBドメインのインジェクションはインスリン刺激によるDNA合成を抑制した。また、インスリンの代謝作用におけるShcの重要性を、野性型Shcおよび317Y/F(dominant negative)ShcをHIRc細胞に過剰発現させ検討したところ、野性型Shc細胞ではインスリン刺激による糖取り込み亢進を呈したのに対し、317Y/FShe細胞ではその低下を認めた。インスリンの標的細胞であるL6-筋肉細胞では、野性型Shcの過剰発現により基礎状態での糖取り込みを亢進したが、インスリン刺激による糖取り込みを、Glut4の細胞内から膜分画へのTranslocationを指標として検討したところ、抗Shc抗体のマイクロインジェクションでは、このTranslocationの抑制は認めなかった。以上、ShcはそのPTBドメインを介したインスリン受容体との結合により、インスリンの増殖作用および代謝作用発現にRat1線維芽細胞では重要な働きを有するのに対し、L6-筋肉細胞ではShcが基礎状態での糖取り込みに影響を与えたが、インスリンによる糖取り込みに影響を与えなかった事から、Shcはインスリン作用の発現において、生体の組織別にその重要性が異なる事が示唆される結果を得た。
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