インスリン様成長因子-II(IGF-II)の病態生理学的意義に関する検討
Project/Area Number |
08770833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福田 いずみ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80238477)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | インスリン様成長因子(IGF)-II / 低血糖 / 膵外腫瘍 |
Research Abstract |
IGF-IIの病態生理学的意義に関して,低血糖を呈する膵外腫瘍(non-islet-cell tumor hypoglycemia:NICTH)におけるIGFsとIGFBPsの性質を検討し以下の成績を得た。 44例のNICTH例のうち腫瘍中IGF-IIの検索を行った20例中18例で腫瘍中にIGF-IIの存在を認めた。この18例では血中IGF-IIの大部分は大分子量(11〜18kDa)のIGF-IIであり腫瘍摘出術後低血糖が消失した6例では術後、この大分子量IGF-IIは消失した。またこれらの腫瘍ではIGF-II遺伝子のloss of imprinting (LOI)を10例中7例に認め,IGF-II過剰産生にLOIの関与が示唆された。一方,IGF-IIの存在を認めなかった2例では大分子量IGF-IIを認めなかった。以上の成績は大分子量IGF-IIの存在はIGF-IIの産生を示唆する所見と考えられた。そこで腫瘍中IGF-II未検索症例もあわせ,血中大分子量IGF-IIを認めた31例をIGF-II産生NICTHとして検討した。血中IGF-IIの上昇はこれら31例中13例で認められ,血中IGF-I値は全例で低値であった。IGF-II産生NICTHの血中IGFBP-3は健常人に比べて有意に低値であり(1.51【+-】0.11 vs 3.13【+-】0.05μg/ml),血中IGFBP-2値は健常人に比べて有意に高値であった(1877【+-】182 vs 415【+-】31ng/ml)。更に,大分子量IGF-IIは遊離型,または分子量60〜80kDaの小分子複合体として血中に存在していた。以上の結果よりIGF-II産生NICTHでは血中に大分子量IGF-IIを認め,この大分子量IGF-IIは,本疾患の血中において遊離型IGF-II,または小分子量の結合型IGF-IIとして存在しており,このようなIGF-IIの血中存在様式の変化がIGF-II産生NICTHにおける低血糖の発現に関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)