脳・中枢神経系に特異的発現する甲状腺ホルモン代謝酵素遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
08770837
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
豊田 長興 関西医科大学, 医学部, 助手 (90278630)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 代謝 / 酵素 |
Research Abstract |
平成8年度研究課題とした脳・中枢神経系に特異的発現する甲状腺ホルモン代謝酵素であるType2 iodpthyronine deiodinase(D2)cDNAが、米国のグループによりカエル尾より単離され報告された。(Davey JC,JBC,1995,270)そこで私は、哺乳類D2酵素の構造を明らかにする為ラットD2cDNAの単離を試みた。報告されたカエルD2cDNAの塩基配列をもとにRT-PCR法にて翻訳領域を増幅しprobeとして用い、ラット脳cDNA libraryより約5kbのクローンを単離し塩基配列を決定した。単離したクローンは、カエルD2の翻訳領域と約70%の相同性を示す部分を含み、既報のTypel deiodinase同様にin-frameの中心付近に通常終止コドンであるTGAコドンが存在し、cDNAの3'-非翻訳領域の特異的な塩基配列の存在により稀なアミノ酸であるselenocyteine(SeCys)に翻訳される事が予測された。カエルD2cDNAとの相違点は、終止コドン(TAG)の12塩基5'-側に2番目のTGAコドンを認めた。更に既報のラットType1及びカエルType2 mRNAが約2kbであるのに対して、Northern blot解析の結果よりラットD2mRNAは約7kbとより長い事が明らかになった。単離したクローンをCDM-8発現ベクターに挿入しelectroporation法を用いてCOS細胞及びHEK293細胞に導入したが、導入した細胞ホモジネートにD2の酵素活性の発現は認められなかった。この結果より今回単離したクローンは翻訳領域を含んでいるものの3'非翻訳領域にTGAコドンをSeCysに翻訳するに充分な機能を持つ塩基配列が欠けている3'-deletedcDNAと考えられた。極最近、米国のグループによりラット褐色脂肪細胞cDNA libraryよりD2の翻訳領域を含む部分的なcDNA約2kbが単離され報告された。(Croteau W,JCI,1996,98)報告さたクローンは、私が単離したクローンと100%同一の翻訳領域を含むものの3'-非翻訳領域が約500bpと短く、細胞に導入しても酵素活性が発現しなかった。現在までにそれ自体でD2酵素活性を発現しうるcDNAの報告は無く、現在その単離を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)