Project/Area Number |
08770843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡 潔 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (90222413)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 白血病性幹細胞 / 造血幹細胞 / フローサイトメトリー / differential display / TF-1 / CD34^+CD38^- / 単一細胞逆転写-PCR / ヒト内因性レトロウイルス |
Research Abstract |
白血病発症時における莫大な数の腫瘍細胞は、実際には白血病性幹細胞と称される少数の細胞群により生み出されると考えられているが、その同定は困難であり、ましてその分子生物学的解析は、来世紀の課題とも言えるものである。本研究は、ヒト白血病細胞株を用いたモデル実験系を使って、白血病性幹細胞の濃縮を試みるとともに、differential display法(Science 257:967-971、1992)を応用して、この特異な細胞集団の分子生物学的解明の端緒をつくることを目的とした。白血病性幹細胞は、ある程度、正常の造血幹細胞にそのcounterpartを求めることができる。現在では、フローサイトメトリーにより、正常幹細胞を濃縮することが可能になってきており、細胞表面抗原であるCD34とCD38、CD4、CD49E、c-kitなどを適宜組み合わせた復-カラー分析により、高純度な幹細胞分画が得られる。モデル細胞としては、検討したTF-1、IMS-1、HU-3といったヒト白血病細胞株の中から、CD34陽性ヒト赤白血病細胞株であるTF-1を用いた。この細胞株では、種々の組み合わせを検討した結果、CD34およびCD38の組み合わせが、本研究に適すると思われた。TF-1の幹細胞分画に相当すると思われるCD34^+CD38^-分画は0.5〜2.1%であった。次にこの少ない細胞群から、いかにして効率よくmRNAを抽出し、以後の分子生物学的な解析に供するかが問題となったが、これは単一細胞逆転写PCRに用いる方法(JCI 97:1666-1674、1996)を応用することで克服可能と思われた。また、differential display法もより簡便、確実で、しかも安価な方法の開発が望まれ、原法をやや改変し、設備の不十分な施設でも行えるようにした。また、このシステムの立ち上げにあたって、トロンボポルチエン依存性のTF-1と非依存性の親株との比較を試みた。この過程でヒト内因性レトロウイルスLTRの発現に差異がある可能性がでてきた。現在、この簡便法を白血病幹細胞に応用することを検討中である。
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