Project/Area Number |
08770921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米原 啓之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00251299)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 骨誘導物質 / BMP遺伝子 / オステオカルシン / オステオポンチン / BMP-2.4.6. / BMPファミリー / 骨形成 / 骨膜 |
Research Abstract |
近年、生化学の分野において、骨誘導物質としてのFGFやBMP等の研究が広く行われており、臨床における利用も近いうちに可能になると考えられる。これらの骨誘導物質には数多くのサブタイプが認められる。本実験においては、骨膜より骨形成が起こる時に出現するBMPファミリーのタイプを解明した。 実験は以下に述べる方法で行った。(1)ラット下腿骨欠損モデルの作成および骨欠損部分における骨膜よりの骨再生状態の観察。(2)オステオカルシンおよびBMPファミリーに対するプライマーによる遺伝子増幅を用いたBMPファミリーの遺伝子発現の観察。(3)in situ hybridizationによる発現細胞の確認。 上記の実験により以下に述べる結果が認められた。(1)ラット骨摘出後の骨膜からの骨形成では、まず軟骨が形成されこの軟骨が二次的に骨組織に置き換えられていく軟骨性骨化の過程が認められた。骨摘出後4日目で間葉系細胞から軟骨細胞への置換を認め、7日目で新生骨を生じ、6周めでは成熟骨となっていた。X線像では摘出後1週間目に新生骨を示す不透過像を認めた。対照群とした骨膜除去群では骨形成は認めなかった。(2)今回の実験で発現の確認された遺伝子はBMP-2、BMP-4、BMP-6であった。BMP遺伝子の発現は対照群においても認められ、手術侵襲などにより、骨膜の有無に関係なくBMP遺伝子が発現すると考えられた。骨形成過程での骨形成のマーカーであるオステオカルシンは骨膜除去群ではその発現が見られなかったのに対し、骨膜残存群では3,5,7日でその発現が認められた。(3)in situ hybridizationでは摘出後1周目の幼若な骨組織と思われる部分にオステオポンチンのmRNAが認められた。 以上のことより、骨膜よりの骨形成過程ではBMPレセプターの存在下にBMP遺伝子2,4,6が発現し、良好な骨再生を行っていると考えられた。
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