Project/Area Number |
08770935
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石塚 裕人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255469)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ユビキチン / 大腸癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
大腸癌手術切除材料および内視鏡下切除材料より蛋白質を抽出し、2次元電気泳動により解析した。抗Ubモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロットにより、癌部の不溶性分画に優位(特異的)な分子量45dkDaと42kDaのスポット群が認められ、特に42kDaのスポットは癌部に特異的であることが判明した。この蛋白質を2次元電気泳動を用いて単離精製、アミノ酸シークエンスを行った結果、これはヒトサイトケラチン8(CK8)と同一のホモロジーを含むことが示された。このことは、抗CKモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロットにても確認され、この蛋白質はUb化CK8フラグメントであることが示された。以上より、大腸癌において特異的に蓄積するUb蛋白質として、分子量42kDaのUb化CK8フラグメントを同定した。また、これはCK8のUbシステムによる分解の中間代謝物であることが示唆された。 また、この42KDaUb化CK8フラグメントの蓄積は、正常部、腺腫には1例も認められず、癌部には35例中25、71.4%と有意に高率だった。さらに、癌において臨床病理学的因子別にみると、統計学的に有意な相関は認められなかったが、組織型では低分化なほど、深達度、リンパ節転移、肝転移、Dukes stageでは進行度が高くなるほどその発現率が高くなる傾向が認められた。以上より、この42KDaUb化CK8フラグメントは大腸癌において発癌早期から蓄積し、大腸早期癌のマーカーとしての可能性が示唆された。
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