Project/Area Number |
08770946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石山 雅邦 東京女子医科大学, 医学部・心研循環器小児外科, 助手 (30246558)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 新生児体外循環 / 生体適合性 |
Research Abstract |
新生児・乳児用超低充填量回路(充填量350ml)を用いて、乳児(体重8-5kg)の開心術症例において、血液充填群(6例)、無血充填群(6例)、血液充填で血液洗浄濾過(3例)を行った群で血液成分活性化の指標である血中サイトカイン(IL-8,IL-6)、補体、白血球elastase、血液運動性物質であるbradykinin、また白血球分画、血小板、血液凝固系のanti-thrombin III,thrombin-antithrombin complex,d-dimerを測定し、さらに術後急性期の呼吸機能(A-aDO2)、心機能(心エコーによるStress-Velocity Index)末梢循環(血中乳酸値)を評価した。血液充填群では体外循環回路のrecirculation時に既にbradykinin、補体、白血球Elastaseの活性化が起こり上昇が見られた。充填血の洗浄濾過はbradykininの減少に有効であったが補体、白血球Elastaseは分子量が大きく濾過できなかった。この洗浄濾過による回路充填血のbradykininの低下は体外循環開始早期のbradykinin濃度に影響し、さらに、洗浄濾過群で人工心肺灌流圧が高く心室細動発生率が低かった。無血充填群は充填液中のbradykinin、補体、白血球Elastaseは0(零)であったが体外循環開始5分以降ではbradykinin濃度には血液充填群との間に有意差はなかった。体外循環中の補体、白血球Elastaseは無血充填群で低い傾向にあった。術後の血液凝固系、血小板数には各群有意差はなかったが、術後12時間時の好中球数、リンパ球数は無血充填群で多い傾向にあった。術後2時間の血中乳酸値、A-aDO2は無血充填群・血液洗浄濾過群で有意に低値を示し、Stress-Velocity Indexもより高い傾向を認めた。 以上の結果から、血液充填によりbradykinin、補体、白血球elastaseが活性化され、乳児体外循環中及び術後急性期の心機能、末梢循環、術後急性期の呼吸機能に悪影響をおよぼしている可能性があり、bradykininの除去には充填血の洗浄濾過が有効で、補体、白血球elastaseが活性化の活性化抑制には無血充填が有利と考えられた。また、体外循環回路充填量の減少により体重5kgまで安全な無輸血体外循環が可能であった。
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