移植を目的とした新しい臓器保存法の開発(アミノ酸,短鎖脂肪酸の効果について)
Project/Area Number |
08770947
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
尾崎 倫孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80256510)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Glycine / Glutathione / 過酸化 / Ebselen / p-selectin / 再潅流傷害 |
Research Abstract |
初年度の実験として、単純な構造のアミノ酸の肝虚血および再潅流傷害に対する効果を検討した。また、再潅流傷害に着目し、現在注目されている過酸化による臓器傷害を予防する目的で、抗酸化剤、接着分子(p-selectin)に対する単クローン性抗体の実験も同時に行なった。 1)Glycineは、最も単純なアミノ酸のひとつであり、虚血傷害に対して、細胞内protease活性を抑え、Slutathione合成に関与し、また、ミトコンドリアに対してエネルギー産生に寄与している可能性が示されている。そこで、ラット肝虚血・再潅流モデルにおいて、その効果について検討した。Glycineは、再潅流後の組織内glutathioneを増加させることにより、再潅流後の肝組織中の過酸化反応および細胞傷害を有意に抑え、また再潅流後のエネルギー状態の改善にも有効であった。 Glutathione perexidase様効果の期待されるEbselenについては、同様に,再潅流傷害予防効果につき検討した。Ebselenは、再潅流後の脂質過酸化物(とくにLooH)の除去に有効であり、やはりGSH-Px様効果になるものと考えられ、さらに、好中球浸潤の抑制、組織の壊死の予防にも有効であった。 3)p-selectinに対する単クローン性抗体は、虚血前および再潅流直後に投与することにより、再潅流後の組織内細胞浸潤、組織の壊死を有意に抑えた。 これらの薬剤は、臓器保存液中に入れておくことが重要と考えられ、虚血傷害および再潅流傷害の予防、エネルギー状態の改善に有効であることが期待されたが、さらなる研究を必要とする、と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)