Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
腫瘍の5-FU感受性とthymidylate synthase(TS)遺伝子発現との関連を知るため以下のような実験を行った。 1.胃癌細胞株MKN45,MKN74,MKN1,MKN28,KATOIIIの培養液中に5-FUを20mM,10mM,5mM,1mM,0.5mM.0.25mM,0.1mM加え、それぞれ6時間、24時間、4日間作用させ4日後の生細胞の率を測定した。その結果、(1)いずれの細胞株においても、5mM以上では、生細胞率は高濃度、長時間接触になるほど減少していた。(2)MKN45では0.5mM,MKN28では1mM,KATOIIIでは0.25mM,MKN74では0.1mM以下の濃度では、生細胞率は5-FUの濃度とは関係なく接触時間のみに依存してた。(3)比較的高い濃度で、生細胞率が接触時間依存性になる細胞株(MKN28,MKN45)では低濃度5-FUを作用させた際、5-FUに対する感受性が低い傾向にあった。 2.上記の培養細胞株に5-FUを作用させ、20mM,10mM,5mMでは6時間後、1mM,0.5mM,0.25mM,0.1mMでは6時間、24時間、4日後にRNAを抽出しTS遺伝子の発現をPCRを用いて検討した。その結果、(1)5-FU投与前で、MKN28のTS遺伝子の発現が最も高く、次いで、MKN1,MKN45で発現が高くMKN74,KATOIIIではTS遺伝子の発現は低かった。5-FUを低濃度で用いた場合、TS遺伝子の発現が低い細胞株ほど感受性が高かった。しかし高濃度で用いた場合の感受性は、TS遺伝子発現との関連は認められなかった。(2)5-FU投与後のTS遺伝子の変化については現在検討中である。 3.当科で胃癌、食道癌の手術を受ける患者に術前5-FUで化学療法を行い臨床効果、術前stageとTS遺伝子のレベルとの関連を検討中である。
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