Project/Area Number |
08770993
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古田 一徳 北里大学, 医学部, 助手 (40209177)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 肝膵同時切除 / 肝再生 / 膵ホルモン / インスリン / グルカゴン |
Research Abstract |
肝再生率は70%肝切除群と肝膵合併切除群の変化はそれぞれ、術後1日目は差がなく、3日目は56.7【.+-。】5.7%と43.2【.+-。】5.8%、7日目には69.6【.+-。】6.9%と57.8【.+-。】6.5%であり、有意に70%肝切除群が高い再生率をしめした。mitotic indexでは術後1日目において70%肝切除群は56.2【.+-。】9.9で、肝膵合併切除群は20.1【.+-。】16.6で70%肝切除群が有意に高値に示した。術後1日目の血清TGF-αの値は70%肝切除分と肝膵切除群ではそれぞれ29.3【.+-。】3.8ng/mlと23.3【.+-。】1.0ng/mlで70%肝切除群が高く、術後3日目の値は両群に差はみられなかった。これらの結果から両群において肝再生の違いが明らかとなった。また、門脈血中の膵ホルモンの変化として門脈血中グルカゴン/インスリン比をみると、術後1日目には差はなく、術後3日目には70%肝切除群で20.4【.+-。】10.4であるのに対し、肝膵合併切除群では57.4【.+-。】33.2と有意に高値であった。そこで術後3日目におけるグルカゴン/インスリン比と重量による肝再生率の相関をみると負の相関関係がみられた。すなわち、この比が大きいものほど、肝再生は促進されず、術前の値に近いものほど肝再生は促進されていることが示唆される。術前の状態、いわばインスリンとグルカゴンのバランスがよければ、肝再生は良好におこなわれるが、術前よりこの比が大きい場合では、肝再生が促進されないと考えられる。本実験の結果からは肝膵同時切除においては肝再生は膵切除による膵ホルモン(インスリン)の供給不足ではなく、門脈血中のインスリンとグルカゴンの濃度比の変化が肝再生に影響を及ぼす重要な因子のひとつであることが示唆された。
|