Project/Area Number |
08771027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245506)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 人工心肺 / 完全体外循環 / ヘモグロビン小胞体 / HbV / 酸素運搬能 / 酸素消費量 |
Research Abstract |
ヒトヘモグロビン(Hb)をリポソームに封入した人工酸素運搬体であるヘモグロビン小胞体(HbV)を人工心肺を用いた完全体外循環下に潅流液として使用し、その酸素運搬能の評価をに行った。潅流量、動脈血酸素分圧および二酸化炭素分圧の調節が可能となる完全体外循環下では酸素消費量が一定となる範囲での酸素運搬能の評価が可能となる。送血管よりNRCを含む潅流液を送り体血圧を60mmHg以上に保ちながら脱血管より循環血液量の約80%を急速に脱血した後完全体外循環とした。ヘマトクリットより算出した交換率は81±9.1%であった。動脈血酸素分圧は約400mmHg、二酸化炭素分圧は約40mmHgとなるように調節した。体温は約37℃に保った。この条件下で潅流量を40ml/kg/minから170ml/kg/minの範囲で変動させ、それに伴う酸素消費量の変化を検討した。 体外循環中の平均体血圧は潅流量の増加につれて上昇する傾向がみられた。体外循環中のpHおよびbase excessは全体に酸性にかたむいていたが、潅流量が上昇するにつれて改善がみられた。酸素消費量は潅流量の上昇とともに増加し潅流量120ml/kg/minでほぼプラトーに達した。この時の酸素消費量は9.5ml/kg/min、酸素運搬量は16.5ml/kg/minであった。潅流量と酸素消費量の関係を犬赤血球中のHbとHbV中のHb各々1g/dlにあたりに換算すると犬赤血球中とNRC中のHbから消費された酸素量に有意差はなかった。これよりHbV中のHbは犬の赤血球中のHbとほぼ同じ量の酸素を運搬したと考えられた。今後、稀釈体外循環等の潅流液として応用される可能性が示唆された。
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